『席上揮毫』 こころの表現をリアルに伝える
書はこころの状態によって微妙な違いが生じます。
書き終えるまで刹那ごとの心境の変化が作品に見ることができます。
ひとつひとつの筆運びそのものが真剣勝負。こころの表現をリアルに、そして至近でお伝えするのが席上揮毫です。
筆の運びは敏感で、一筆ごとのこころのゆらぎは繊細な墨の軌跡となって現れます。
筆に込めた伝えたい思いとギャラリーの真剣な鋭いまなざし、それらが渾然一体となる荘厳な空気感。
以心伝心、双方向のこころの対話が織りなす一期一会です。
『二刀燕返し』 左右両手が織りなす離れワザ
はじめて筆を持ったのは左手でした。しかし当時の先生に右手で筆で持つよう指導を受けました。
不自由なく右手で文字を書くようになりました。
ある日左手で文字が書ける気がして試してみたところ、形は右手ほど上手く書けないのですが明らかに左手で書く方が生きた線質であることに気付きました。
大筆による席上揮毫では両手で筆を持たないとバランスが取りにくい自分の個性に出会いました。席上揮毫では両手で舞うように書の世界を表現します。

